設計工務の 櫻井 和樹です。

前回の記事からの続きの記事になります。
前回を読んでいないかたは是非確認してください。
また、パッシブハウス挑戦ブログは下記より
透湿抵抗
透湿抵抗…?
聞いたことないから読むのやめよう…
と思わないでください!
そこまで難しくないです!
透湿抵抗とは
「水蒸気をどれくらい通しにくいか」を表すものです。
お家の壁の中は
中と外との温度差によって水蒸気が移動しています。
そのため、前記事の断熱性能が高いからOKではないのです。
壁の中に湿気が入り、内部で結露し、
木材の腐朽やカビにつながる可能性があります。

↑実際にリフォームした物件の断熱材です。
結露し自重に耐えれなくなり沈み込み、黒く変色(カビ)が発生しています。
リフォームで壁をめくると、大なり小なりもれなくほとんどの物件で同じような現象が起きています…
例えば断熱材の代表格グラスウールの透湿抵抗はどうでしょう?
(上の写真もグラスウールになります)
グラスウールは非常に湿気を通しやすい材料のため透湿抵抗自体は低いです。
だからこそグラスウールを施工する際は湿気が入らないようにするというのが施工の基本です。
もし入ってしまっても排出出来る仕組みを考える必要があります。
一方、発泡プラスチック系の断熱材の中には湿気を通しにくいものもあります。
例えば硬質ウレタンフォーム、メーカーによっては結露保証がある断熱材もあり
断熱材の中では透湿抵抗が高くなっております。
発砲プラスチック系断熱材は発砲の違いで透湿抵抗値に大きく左右されます。
独立気泡:気泡が独立しており、水蒸気を比較的通しにくい
連続気泡:気泡が連続しており、水蒸気を通しやすいものもある

つまり断熱材は
【断熱材の性能】+【水蒸気の通り方】
まで考えて構成を考える必要があります!
まとめ
ここまで読んでいただくと、
「断熱って意外と難しいな」
と思われるかもしれません。
実際、その通りです。
断熱は、
断熱材を入れるだけの工事ではありません。
例えば、
壁
- 断熱材の種類
- 厚さ
- 柱による熱橋
- 防湿
- 気密
- 外壁通気
屋根
- 屋根断熱か天井断熱か
- 断熱材の厚さ
- 屋根通気
- 防湿
- 気密
- 夏の日射
床・基礎
- 床断熱か基礎断熱か
- 基礎の立ち上がり
- 土間
- 床下環境
- シロアリ対策
まで考えて、初めて「住宅としての断熱性能」が決まります。
そして「熱橋」も無視できない
例えば壁に高性能な断熱材を100mm入れたとしても、
柱や梁など、断熱材が連続していない部分があれば、そこから熱が伝わります。
これが、
熱橋(ヒートブリッジ)
です。
だからこそ、パッシブハウスでは、
断熱材の性能だけではなく、断熱材を途切れさせないこと
も非常に重要になります。
この「熱橋」については、次次回の記事で詳しく解説します。
パッシブハウスが考える「断熱」
パッシブハウスでは、単純に「断熱材を何mm入れたか」だけではなく、
建物全体でどれだけ熱が逃げるのか
を考えます。
そのため、
- 壁
- 屋根
- 床
- 基礎
- 窓
- ドア
- 熱橋
などを一つひとつ確認して、建物全体としての性能を考えることが重要です。
「グラスウールだからダメ」
「ウレタンだから良い」
「断熱材が200mmだから高性能」
という単純な話ではないんですね。
もはや世の中のUA値論争など競いませんし、
語弊があるかもしれませんが、申請上UA値は特に重要ではありません。
UA値ではなく、あくまでもエネルギーです。
パッシブハウスは新築だけ?
新築だけではありません。断熱を改修することでパッシブハウスの認定を
受けている物件は何件もあります!
ここまで読んで、
「うちはもう家を建ててしまったから関係ない」
と思った方もいるかもしれません。
しかし、断熱性能はリフォームでも改善できます。
例えば、
夏暑く、冬寒い家
- 天井・屋根の断熱改修
- 壁の断熱改修
- 床・基礎の断熱改修
- 窓の交換
- 内窓の設置
など、住宅の状況に合わせた方法があります。
特に築年数の経過した住宅では、現在の住宅と比べて断熱性能が十分でないケースもあります。
「エアコンを交換しても、なかなか快適にならない」
という場合は、設備だけではなく、
そもそも家から熱が逃げていないか?
を確認してみることをおすすめします。
住みながらでも断熱リフォームも可能なので
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