設計・工務の櫻井和樹です。
最近発表されました、新築の大型補助金のなかで気になるワードがあったのでご紹介します!
今年度の住宅の補助金はなんと最大160万円! 子育てグリーン住宅支援事業
そのなかでもGX志向型の対象物件の中にきになるワードが!
それは
”一次エネルギー消費量削減率35%以上”
”再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量削減率100%以上”
一般的には耳慣れない一次エネルギー消費量とは一体なんなんでしょうか?
一緒に紐解いていきましょう!
一次エネルギーとは?
一次エネルギーとは、石油、天然ガス、石炭、薪、水力、原子力、風力、地熱、太陽光 等
自然から直接取得できるエネルギーのことを指します。
では一次があるということはもちろん二次もあります。
二次エネルギーとは、一次エネルギーを転換・加工することで得られる電力、都市ガス、ガソリンや灯油 等を指します。
建築における一次エネルギー消費量とは?
住宅や建築物で使われているエネルギーは電気やガスといった二次エネルギーがほとんどです。
冷暖房、給湯、ガス、換気、照明、、、
ではなぜ一次エネルギー消費量といわれるのでしょうか?
それには明確な答えがあります。
ヒントは単位。
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電気はKWh、ガスは㎥というようにエネルギーによって単位が異なります。単位が異なると建物全体でどれほどエネルギーが使われているのか計算することが非常に困難になります。
そのため一次エネルギー換算係数を乗して同じ単位にしています。
なので住宅や建築物でのエネルギーは一次エネルギー消費量が使われているのです!
一次エネルギー消費量削減率35%以上とは?
住宅のエネルギ―消費量を計算する際に
”住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム”というもので算出します。
今回の補助金はそのプログラムの中の基準一次エネルギーと設計一次エネルギーというものを用います。
①暖房・冷房・換気・給湯・照明の基準一次エネルギー消費量
②暖房・冷房・換気・給湯・照明の設計一次エネルギー消費量
③太陽光発電による発電量
①基準一次エネルギーに対して②設計一次エネルギーがどれだけ下回っているのか、その削減数値が35パーセント以上にする必要になります。
つまり・・・
②/①≦0.65
にすればよいのです!
実際に計算してみましょう。
下記の画像は実際にお施主様に説明する際に、実際に住宅に関する省エネルギーに準拠したプログラムで算出した資料の一部です。
①基準一次エネルギー=14053+5217+4132+24095+9847=57345【MJ】
②設計一次エネルギー=8413+3656+4626+16180+4160=37035【MJ】
②/①=0.64≦0.65
となり削減率35%をクリアしています!
再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%以上とは?
100%を達成するためには、太陽光パネルが必須となります。
先ほどの資料で計算しますと
(②-③)/①≦0
になればよいのです。
①=57345【MJ】
②=37035【MJ】
③107377【MJ】
つまり(37035-107377)/57345=-1.22≦0
のためクリアしていますね!
どうすれば一次エネルギー消費量を削減することができる?
一般的に一次エネルギー消費量を下げる方法としては
・お家の断熱性能を向上させる
・高効率のエアコンの導入
・節水型の水栓の導入
・高断熱型の浴槽を導入
・全館空調の導入
・外皮性能(断熱性能)を上げる
・熱交換換気のシステムを導入
・太陽光パネルの導入
一次エネルギーを削減するとなんの恩恵を得れるのでしょうか?
私たちの暮らしで最も分かりやすい例は
月々の電気代を安く済ますことができる!
あと他には
・大気汚染の低減
・地球温暖化の緩和
・天然資源の節約
等があります!
一次エネルギーは自分の家単位ではなく、地球規模の考えになるのです。
壮大な話になりましたね。
お家づくりでそこまで意識してください、とは言いませんが
お家をつくっている我々のような会社がきちんと考え、行動し、実践していくことで
目の前のお客様だけでなく未来の地球まで考えるようになると、
子ども、孫、その先の地球環境をより良いモノに整えることができるのかなと思っています。
また壮大な話になりましたね。でもそれが大切だと思っています。
ではまた!
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