設計・工務の櫻井和樹です。
夏の暑さや冬の寒さを和らげるために、
窓ガラスの「日射取得」と「日射遮蔽」の
バランスを考えることは非常に重要です。
実はこの2つの機能を理解することで、
1年を通して快適な室内環境を実現できるのです。
今回は、日射取得と日射遮蔽の基本から、
適切なガラス選びのポイントまで詳しく解説します。

日射取得と日射遮蔽の基本

日射取得:冬に太陽の熱を積極的に取り入れ、暖房効率を上げること
日射遮蔽:夏に太陽の熱を遮り、冷房負荷を減らすこと
窓ガラスはこの相反する機能を、
季節に応じてバランス良く発揮する必要があります。
日射取得に適したガラス
高日射取得ガラスの特徴
- 可視光線透過率が高い(明るい室内)
- 赤外線(熱線)も透過しやすい
- 冬場の暖房効率向上に効果的
主な種類
- クリアガラス:最も日射取得率が高い
- 高日射取得型Low-Eガラス:断熱性を保ちつつ日射熱を取り入れる
最近はECLAZという最高水準のガラスもでてきています!
とても注目商品になります!LIXILやYKKで採用されています!
おすすめ設置場所
- 冬場に日当たりの良い南向きの窓
- パッシブソーラーを採用した住宅
日射遮蔽に適したガラス
高日射遮蔽ガラスの特徴
- 赤外線(熱線)を反射または吸収
- 可視光線は適度に透過(明るさを確保)
- 夏場の冷房効率向上に効果的
主な種類
- 遮熱ガラス:金属膜で熱線を反射
- 吸収ガラス:色付きガラスが熱を吸収
- 高日射遮蔽型Low-Eガラス:断熱性と遮熱性を両立
おすすめ設置場所
- 西日が強い西向きの窓
- 暑さが厳しい地域の住宅
季節ごとの最適な選択
冬の戦略
- 日射取得を最大化
- 夜間の熱損失を防ぐ(断熱性の高いガラス)
- カーテンやブラインドで夜間の断熱を補助
夏の戦略
- 日射遮蔽を優先
- すだれや緑のカーテンとの併用
- 通風を確保しつつ直射日光を遮断
失敗しない選び方5つのポイント
設計する上で常に気をつけていることは
- 地域の気候を考慮:寒冷地は日射取得、温暖地は日射遮蔽を重視
- 周辺環境を考慮:南面でも1年中日が入らない所もあります!きちんとシミュレーションしましょう
- 方角ごとに最適なガラスを選択:南面と西面で異なるガラスを
- 建物の断熱性能とバランス:高断熱住宅なら日射取得がより重要
- 窓の大きさと位置:大きな窓は性能への影響が大きい
- コストパフォーマンス:初期費用と光熱費削減効果のバランス

最後に
南の窓だから日射取得!ではないのです。
あくまでも周辺環境を確認し、シミュレーションを行い
適正な箇所に日射取得のガラス、
日射遮蔽のガラスを選定していく必要があります。
窓ガラスの日射取得と日射遮蔽のバランスを考えることは、
快適な住環境づくりの基本です。
今だとGX補助金のBEI値にも大きくかかわってきます!
季節や方角に応じて適切なガラスを選択することで、
光熱費の削減とともに、1年を通して快適な住まいを実現できます。
住宅の新築やリフォームを検討中の方は、
ぜひ窓ガラスの性能にも注目してみてください。
「どのガラスが自宅に適しているかわからない」という方は、
専門の窓メーカーや住宅メーカーに相談することをおすすめします。
適切なアドバイスを受けることで、後悔のない選択ができるでしょう。
ではまた!
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